Art & Architecture Soul Searchin' A Life in Tokyo

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館、変わりゆく東京の風景 ミッドタウン裏の檜町公園からの眺め モードも建築も時代へのアンチテーゼという役割が終わったという感覚

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館


午前中の対面打ち合わせが終わり、午後イチにオンラインの打ち合わせがあったので自宅に戻ろうとしていた時、「今日はスキップでお願いします!」とSlackの通知が入りました

急に時間ができたので日比谷線に乗り換え六本木へ

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

六本木交差点からミッドタウンを横目に国立新美術館に到着

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

もうすぐ終わってしまうイヴ・サンローラン展を見にやってまいりました!

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

チケット代2300円をスマホのQuickPayで支払い美術館に入ります

余談ですが、電車乗るときも、買い物するものスマホでピッとするだけなんで、現金を使う機会がほとんどなくなりましたね

フューチャリスティックな世界を生きております!

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

国立新美術館は、解体されてしまったメタボリズム建築の代表とも言える中銀カプセルタワーを設計した建築家 黒川紀章氏 晩年の作品

有機的に湾曲したガラス張りの空間が広がっております

こういった構造を作るのにも技術の進歩と蓄積があってのことなんでしょうが、中銀カプセルタワーのようなコアとなるコンセプトが伝わってこないところが現代建築が面白くないところなんでしょうね

フューチャリスティックな空間なんだけど、カプセルタワーのような未来を感じないというか...

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

さて、前置きが長くなりましたが会場に入ります

クチュールデザイナーとしてのサンローランのスタートはクリスチャン・ディオールからでした

そういう視点で見ると、今年春まで東京都現代美術館で行われていたクリスチャン・ディオール展の続編ともいえるのが今回のイヴ・サンローラン展になりますね

サンローランはオート・クチュール・スクールを出た後、クリスチャン・ディオールに入りますが、3年後の1957年にディオールが逝去。ディオールの遺志により21歳の若さで主任デザイナーに抜擢されます

その後、1960年アルジェリア独立戦争に徴兵されディオールから離れることになり、翌年1961年から自身のメゾンを立ち上げることになります。これが「イヴ・サンローラン」のスタート

ココ・シャネルなどいまでも続くメジャーブランドを築き上げたクチュリエ達がそうであったように、それまで家庭に閉じ込められてきた女性の社会進出を促し、独立し輝かせることがこの時代の背景にありました

海軍で使われていたPコートや、狩猟に使われていた服をサファリルックとしてアレンジしたり、メンズスーツの要素を女性のボディラインにあわせてエレガントに再構築するなど、いわゆる「ニューモード」と呼ばれるスタイルをクリエイトしていきます

個人的にはこの「ニューモード」な衣装が陳列された2番目のブース「イヴ・サンローランのスタイル アイコニックな作品」が気に入りました

他にも映画や舞台など装飾要素の強い衣装や、アフリカ、中国、日本などからインスピレーションを得た服、刺繍にフォーカスしたもの、装飾品などのテーマごとにブースが分かれています

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

サンローランのもう一つの特徴は、様々なアーティストへのオマージュ的な作品

音楽的にいえばリミックス、サンプリングといった感じで、ピカソ、ゴッホ、ジョルジュ・ブラック、アンリ・マティスなどの絵画から得たインスピレーションを洋服に仕立て上げています

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

中でも有名なのがピエト・モンドリアンのコンポジションシリーズをベースにしたモンドリアンルック

今回の展示会のキービジュアルにもなっているやつですね

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

1965年の秋冬コレクションで発表された当時のものを見ることができ感激!

イームズオフィス80周年ポップアップイベント「Eames Office : 80 years of design」@ 伊勢丹 新宿

モンドリアンコンポジットは、トーマス・リートフェルトの椅子や、チャールズ・イームズの自邸やESUと呼ばれる棚など、いわゆるミッドセンチュリー・モダン期の家具などにも引用され、いまでも多くのところで使われています

ポケモンのモンスターボールなんかもある意味モンドリアンコンポジットなんではないか?!ピカチュウとっ捕まえれば黄色も入るし!

話がそれましたが、、、

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

今回の展示で撮影OKだったのが「アーティストへのオマージュ」というブースのみだったのでサンローランの軌跡を俯瞰して写真に収めることはできませんでした

どうせなら代表的なルックをこんな感じで並べたら面白かったのに

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

モンドリアンルックを見にイヴ・サンローラン展へ Yves Saint Laurent, Across the Style @ 国立新美術館

今年の春まで東京現代美術館で大々的に開催されていたディオール展と比べるとボリュームも展示の仕方も力不足を感じてしまいましたが、サンローランのクリエイションの奇跡を辿れたのは面白かったです

クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ展@東京都現代美術館 歴代デザイナーの作品と写真家 高木由利子のヴィジュアルが建築家 重松象平の空間に浮かび上がりDiorの世界にどっぷり浸かることになる企画展

 

すっかりファストファッションや機能的ウェアが主流な世の中ですが、こういったモードの世界は今後どうなっていくんでしょうかね?

 

変わりゆく東京の風景 ミッドタウン裏の檜町公園からの眺め

変わりゆく東京の風景 ミッドタウン裏の檜町公園からの眺め

国立新美術館を後にし、赤坂まで歩こうとミッドタウンの脇を抜けて檜町公園に向かいました

久しぶりに来たんですが、タワーなビルがニョキニョキしてきましたね

上段右からTHE ROPPONGI TOKYO(三井他)、麻布台ヒルズと東京タワーを挟んで麻布台ヒルズのレジデンス棟(森ビル)、そして三角形の意匠が入った泉ガーデン/六本木グランドタワー(住友)

下段右のベージュの低層住宅がブリヂストン三河代アパート、左のガラス張りのがパークマンション檜町公園(三井)(いま調べたら128㎡ / 9億9千8百万円で売り物件出てました!)

いつの間にか麻布台ヒルズ出来上がってたんですね

虎ノ門ヒルズの時もそうだったけど、どんどん東京タワーが見えなくなっていく...

森ビルさん、東京タワーの眺め、大事にしてね!

変わりゆく東京の風景 ミッドタウン裏の檜町公園からの眺め

振り返ると、最近人里に降りてきているクマさんデザイン監修のパークコート赤坂桧町ザ・タワー(三井)(こちらの物件は35㎡の1LDKは1億6千万、35㎡ですよ!〜66㎡で3億9千万なり)

なんかこのデザイン、サイバーパンクっぽくないですか?!

ただいまバーチャルな世界では生成AIが徐々に育成されていますが、近い将来アンドロイドとして物質化され、アレクサがその座を奪れた頃、六本木周辺のビルの合間を空飛ぶ乗り物がを飛び交うようになるのでしょう

ブレードランナー的世界の準備が着々と進んでいるということなのでしょうか?!

う〜ん、そんな未来は望んではおらんような気がするが...

場を整えることとメンタルヘルスと生産性の相関関係

東京とサイバースペースと六畳一間の平屋を行き来している者から見ると

建築にしてもファッションにしても、だぶついたお金の行き先になっているような気がして、時代に対するアンチテーゼの役割は終わったということなのかもしれませんね

これからの未来はライフスタイルを自らの手で作り上げていくことなのかもしれません

 

-Art & Architecture, Soul Searchin', A Life in Tokyo

© 2024 房総オルタナティブライフ