オフグリッド 房総フィールドの小屋の電源は100W太陽光パネル+200AhのLiFePO(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーで賄っています
昨年4月に鉛のディープサイクルバッテリーからリチウムイオン(LiFePO)のバッテリーにリプレイスし8ヶ月ほど経った1月下旬に初めての電圧降下を起こしました
電圧降下とは簡単に言えばバッテリーが空になる状態
通常であれば、ウィークデーの発電で週末に使用する電力を十分回すことができる発電量と蓄電量になっています
鉛バッテリーの頃は電圧降下を起こしたとしても、翌週にはリカバリーしていたのですが、今回はなかなか電圧が戻ってきませんでした
電圧降下の要因
今までバッテリー残量を確認できるメーターを設置していなかったので、インバーターに表示されるバッテリーの電圧(上の写真の下の数値)から残量を推測するしかありませんでした
一般的に13Vくらいあれば満充電、電気を使用し始めると12V台後半から徐々に下降していき、10Vになるとインバーターがアラートを出してバッテリーからの給電を停止させます
鉛バッテリーの場合、放電曲線がなだらかなので電圧が徐々に減っていくのですが、リチウムイオンバッテリーは一定の電圧で推移したのち急激に減っていく特性があります
イメージで言うと11V以下になるとあっという間になくなるといった感じです
今回電圧低下してしまった要因はこのリチウムイオンバッテリーの特性を意識せず電気を使いすぎたためだと思われます
もうひとつ、リチウムイオンバッテリーは寒さに弱い特性もあるのですが、房総だと0度を下回るのは明け方くらいなのでさほど影響はなかったと思われます
ちなみにAmpere Timeのバッテリーの作業温度範囲は充電:0℃〜50℃、放電:-20℃〜60℃
ソーラーパネルからの給電で復活しなかった要因
次の疑問は、不在時に100Wソーラーパネルから給電されていたにも関わらず復活しなかったのはなぜか?
最初に電圧降下した後、1週間ほど放置。晴天が続いていたので翌週には復活すると踏んでいましたが、小屋に戻った時の電圧は11V後半
この状況をメーカーに問い合わせて何度かやり取りしたところ、急速充電器をお貸しいただけることになり、東京に持ち帰ってAC(コンセント)で充電することになりました
こちらがお借りしたAC充電器
充電を始める前に一旦空になるまで=インバーターのバッテリー保護アラートが鳴るまで電気を消費させ充電開始
バッテリー電圧が13.3〜13.4V付近で安定するまで丸一日ほど放置した後、再び電圧降下するまで使い切ってもう一度充電させてみました
つまり放充電サイクルを2回まわしたということです
この後、小屋に戻して稼働させてみたところ特に問題なく稼働してくれています
このことから推察できることは、ソーラーパネルからの給電は、日中の数時間(冬場だと4〜7時間程度)と時間が短く断続的な充電になってしまうこと、100Wソーラーだと電流(アンペア)が足りないことの2つが考えられます
メーカーの方曰く、10A程度で一気に満充電まで持っていかないとダメかもと仰っていました
オフグリッドでのLiFePOバッテリーの運用と電圧降下した時の対処法
これらのことから今後の運用と対処法をまとめてみるとこんな感じになるかと思います
- LiFePOバッテリーは残量が少なくなる直前に一気に電圧が下がるので残量がわかるバッテリーモニターなどをつけて意識しながら電気を使った方が良い
- LiFePOバッテリーは寒さに弱いので0度を下回る地域では対策をした方が良い(これは鉛でもそうですがリチウムイオンはもっとセンシティブな気がします)
- LiFePOバッテリーが電圧降下した場合、10Aくらいで満充電になるまで一気に充電しないと復活しない(可能性がある)ので、商用電源のあるところで充電器で再充電するか、ソーラーパネルを増強して出力を上げる
ちなみに小屋のバッテリーに取り付けたバッテリーモニターはこれ
バッテリー残量の正確な値を取るにはシャント付きのモニターがよいですが取り付けが面倒だったので、簡易的にわかるものにしました
めちゃくちゃシンプルですがバッテリー残量、バッテリー電圧に加えて温度もわかるのでバッテリーマネジメントする指標は十分揃いました
と言うことで、ひとまずバッテリーが復活したのでしばらく様子をみながら運用していこうと思います
それにしてもトラブルは嫌なものですが、そこから学びとれることも多いものですね!
なにごとも経験してみないとわからんことが多いと言うことです!