6月最終日は成田の方で野暮用があり「今年は夏越の大祓えに参加できないなぁ」と思っていましたが、少し時間が空いたので近くで大祓をやっている神社がないか調べていた時に見つけたのが、成田市名古屋にある小御門神社というお社
15時から大祓が行われるとのことだったので伺ってみることにしました
この神社の御祭神は後醍醐天皇の側近であった藤原師賢公
鎌倉時代末期、元徳3年(1331年)鎌倉幕府を打倒しようと後醍醐天皇が起こした元弘の乱で、幕府軍に攻めいられた際に天皇を京都から逃すため身代わり(天皇のダミー)になったのが藤原師賢公
藤原師賢公は京都 北東にある比叡山に登り、天皇は南東の笠置に潜伏したものの、やがて合流し天皇と共に敗走するも最終的には幕府軍に捕捉されてしまいます
その後、下総(房総北部)の千葉氏の家に拘禁され、元弘の乱の同年秋に32歳の若さで亡くなられたそうです
時は550年ほど流れ、明治12年(1879年)地元民の願いにより神社の創建許可が降り、別格官幣社(国家のために特別な功労があった人臣を祀る神社)として祀られるようになったのが小御門神社の起源だそうです
天皇のダミーになったことから「小さな御門」ということなんでしょうかね?
明治期に建てられた比較的新しい神社とはいえ、すでに140年近く経っており木々が鬱蒼とし鳥居にも風格があります
鳥居にかけられたしめ縄の位置が低いのが特徴的です
6月は夏越の祓えの季節なので茅の輪が設置されております
拝殿と本殿は囲いの中にあり厳かな感じがします
拝殿の脇には「身代り石」が置かれていました
御祭神 藤原師賢公が後醍醐天皇の身代りとなったことに由来するものでしょう
元々ここに生えていたものか、神社建立時に植樹されたものかは不明ですが樹齢150年の栃の木が御神木となっております
神社を一周したところで大祓の時刻になりました
参列の申し込みをすると「大祓えの祝詞」と「切麻(きりぬさ)」と「人形(ひとかた)」が手渡されます
大祓が行われる祓所には御神酒などが祀られております
右側にあるお祓いに使う大麻(おおぬさ)は本物の麻でできたものだそうです
まずは宮司による大祓の祝詞が読み上げられ、その後、参列者も祝詞を読み上げます
続いて宮司が布を切り裂く裂布の儀を行い
次に先ほど配られた、切麻(きりぬさ)を左肩、右肩、左肩の順番に振り穢れを落とし、さらに人形(ひとかた)を身体にあて息を3回吹き掛けます
集められた人形は祓所の脇で燃やし清められました
川に流して清める神社もあるそうですが、小御門神社では燃やして清めるスタイルのようです
その後、宮司が参列者のところまでやってきて一人一人、頭の上に大麻(おおぬさ)を降ってお祓いしてくださいました
普通は前方で振って清めることが多いですが、一人一人回っていただけるのは嬉しいですね
続いて茅の輪くぐり
宮司の後に続き、左、右、左の順番でくぐり、最後に本殿前で参拝
以上で夏越の大祓えはお終い
参拝が終わった後、水無月という和菓子が振る舞われました
蒸し暑い季節にこの清涼感あふれる和菓子、素敵です!
思いがけず大祓の儀に参列することができ、心残りなく残りの半年を過ごせます♪
参列されていたお爺ちゃんが「年々1年が早くなるなぁ」と言っておりましたが、(いまでも十分早くなったのにもっと早くなるんかい!)とビクビクしながら聞き耳を立てておりました!
そろそろ紫陽花も終わり、梅雨が明けたら夏がやってきます
季節の移ろいを観察していると思った以上のスピードで動いていることを感じる今日この頃
1日1日を無駄にせず過ごしていきたいですね
たまたま訪れることになった小御門神社、大きなお社ではないですが、周りが木々に覆われており静謐な空気が漂う素敵な神社でした
また機会があったら立ち寄らせて頂こうと思います