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東京自宅インテリアアップデート ルイ16世スタイルアーム付きスツールとオーバルバックチェアを「稲藁」と「馬毛」を使って張り替える 先人達の知恵の中に心地よさのヒントがある

東京自宅インテリアアップデート ルイ16世スタイルアーム付きスツールとオーバルバックチェアを「稲藁」と「馬毛」を使って張り替える 先人達の知恵の中に心地よさのヒントがある


椅子やソファーの詰め物といえば、プラスチック樹脂のポリウレタンを発泡させたウレタンフォームを使うのが一般的ですが、ウレタンフォームが発明される以前は「馬毛」や「パーム椰子」を詰めていました

アンティークチェアを購入するとそういった自然素材が入っていることが多いです

明治以降、日本にも西洋家具が普及していきますが、国内で馬毛やパーム椰子を入手するのは困難だったそうで、当時の日本の職人さん達は試行錯誤し、身の回りにあった素材「稲藁」をクッション材に使う方法を編み出しました

西洋スタイルに日本オリジナルの製法をミックスした椅子が存在するのです!

 

20年くらい前にイギリスで購入してきたボロボロのアンティークチェアが何台かあるので、昨年から段階的に椅子の修理・張り替えをしてくれるAZUMAさんにてレストアをお願いしています

今回レストアをお願いしたのはルイ16世スタイルのアーム付きスツールとオーバルバックチェアの2脚

共に馬毛が詰められていましたが、スツールの方には白馬の毛が入っていたそうです

ちなみに白馬の毛は身分の高い方のみが使えた素材だそうで、もしかしたらどこぞの王家のものだったのかもしれません!

 

レストアするにあたり、ウレタンフォームを詰めて安く仕上げてしまうこともできましたが、オリジナルの素材を再利用+継ぎ足しして直すことができると聞いたので後者の方法でお願いすることにしました

さらにAZUMAさんと話していくうちに、稲藁を椅子のクッション材として使う技法を知る職人さんは今となってはほとんどいないとのこと

幸いにも稲藁のストックがあるとのことだったので、スツールの方は稲藁を詰めてもらうことにしました

 

稲藁を詰めハラコ風 牛柄ファブリックに張り替えたルイ16世スタイルアーム付きスツール

稲藁を詰めハラコ風 牛柄ファブリックサンゲツテルネーロUP951に張り替えたルイ16世スタイルアーム付きスツール

その白馬の馬毛が入っていたルイ16世スタイルのスツール

こちらには稲藁が詰まっています

作業風景の動画を拝見させていただきましたが、稲藁を手で何度も揉み解し6cmくらいにカットしたものをくしゃくしゃにして詰め込んでおりました

若い職人さんも楽しんで作業していただけたようで、技術伝承にも繋がったようでなによりです!

実際に座ってみると生地材の奥にサクッとした感触があり、馬毛ともパーム椰子とも違う座り心地です

普段、ウレタンフォームの座り心地に慣れているとちょっと硬く感じますが逆にしっかりしていていい感じです!

稲藁を詰めハラコ風 牛柄ファブリックサンゲツテルネーロUP951に張り替えたルイ16世スタイルアーム付きスツール

ルイ16世スタイルだとモケットや花柄のファブリックで仕上げるのが一般的ですが、今回はちょっと遊んでハラコ柄のフェイクレザーに鋲打ちで仕上げていただきました

稲藁を詰めハラコ風 牛柄ファブリックサンゲツテルネーロUP951に張り替えたルイ16世スタイルアーム付きスツール

このフェイクレザーはサンゲツ テルネーロ UP951を使っています

一見、本物のハラコに見えますがビニールレザーです

この表情プリントとは思えません!

質感を考えるとリアルレザーを使った方が良いですが、椅子張りに使える大きいハラコを探すのは大変ですしコストも上がってしまいます

ビニールレザーであれば汚れも気にせずガンガン使えますしね!

 

馬毛を積め花柄のリネンライクファブリックに張り替えたオーバルバックチェア

馬毛を積め花柄のリネンライクファブリック サンゲツサブリナノーブルUP302に張り替えたオーバルバックチェア

こちらは馬毛を詰めたオーバルバックチェア

こちらもウレタンフォームとは異なる座り心地で、稲藁より柔らかくしなやかな感じがします

馬毛を積め花柄のリネンライクファブリック サンゲツサブリナノーブルUP302に張り替えたオーバルバックチェア

ハラコ柄スツールの脇に置くと牛柄に見えますが花柄です!

ファブリックはサンゲツ サブリナノーブル UP302 を使用しています

コットンリネンのようなベースファブリックに大ぶりの花柄模様を織り込んだもの

大きい家具に張るとかなり派手になりそうですが椅子くらいだとアクセントになって良いですね

お気に入りのファブリックです!

 

 

いま売られているクッション付きの椅子を見回してみるとほとんどがウレタンフォームを使用しています

硬さの異なるウレタンフォームを何層にも組み合わせて座り心地を追求しているものもあれば、1年くらいでダメになってしまいそうなものまで様々ありますが、どちらにしてもいずれは硬化してボロボロになってしまいます

一方、馬毛やパーム椰子、稲藁といった古くからある製法であれば素材の再利用が可能です

昔は素材の選択肢が少なかったから身の回りのものを使っていただけのことでしょうが、新素材が現れたことで使い捨てるカルチャーが当たり前になったということです

僕自身も使い捨てカルチャーの恩恵を受けているし、必ずしも悪いこととは思いませんが、選択肢が1つしかないというのは好ましい状況とは思えません

普段「これしかない」と思い込んでいることでも、調べてみると他の方法がいくつか見つかったりするもの

そういったオルタナティブな手法は往々にして先人達がやっていたことだったりします

どんなにテクノロジーが進歩しモノに溢れた生活をしていたとしても、衣食住の営みは脈々と受け継がれてきているもです

もしいまの生活のどこかに疑問を抱いているのであれば、先人達がそれをどうやっていたのか探ってみると面白い発見があったりします

環境がどうこうとか、コストがどうこうとか頭で考える前に、自分にとって心地よいと思えるスタイルはどういったものか?を直感に従って探って行動していけば良いのです

昔ながらのスタイルと新しいスタイルを自分の感性に従って上手にリミックスしていけば、自分にとっても、他人にとっても、地球にとっても良い方向に動いていくでしょう

 

今回、椅子の張り替えをするプロセスでも先人達の知恵を垣間見ることができました

ここで得た知識や経験は次のなにかに繋がっていくことでしょう

さて、沖縄リノベーションの家具選び進めないと!

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