早朝の房総半島を走っていると朝霧に包まれる時があります
普段なにげなく見過ごしている風景が霧の向こうに隠れただけなのにまるで別世界にいるような感覚
視覚で捉えられる情報が減っただけで、こんなにも世界が違って見えるのかと思いながら、しばし幻想的な空間に佇んでいるわけです
マスメディアやインターネット、スマートフォンの普及に伴い、日々様々なところから膨大の情報が流れてきますが、記憶に残っているものはほとんどなく、後になって途轍もない時間を無駄にしてしまったことに気付かされるもの
こういった情報というものはその外側に広がっている世界を覆い隠す霧のようなもので、私たちが認識している世界というものはただの幻なのかもしれません
その幻の中で楽しく過ごすことも悪くないですが、もっと直接的な感触を全身で感じたいという欲求は誰しもが持っているものだと思います
霧が晴れた世界は、いま見ている世界よりずっと広くて、自由でリアル
その世界に行ってみたければ、目の前に広がる霧ではなく、その外側に広がる世界に焦点を当てなければいけません
不思議なものですが、人間って意識を向けたところに自然と導かれていくものです