房総オルタナティブ米プレゼント2024

Drone

房総オルタナティブ的未来のドローン モノを運ぶコミュニケーションプラットフォーム



​ドローンで遊び始めて3ヶ月が経った

この3ヶ月、ドローンを実際に飛ばしてみて「コントロールすること」と、バラしたり自作したりしながら「どういう構造になっているのか」を理解することができた。まだまだ基礎的なことしかわかっていないので、これからさらにドローン沼の奥に足をつっこんで行ってみようと思っている(笑)

■ドローンの仕組み

この3ヶ月で学んだドローンの仕組みを簡単にまとめてみよう。

ドローンにはフライトコントローラーと呼ばれるマイクロプロセッサーがついている。PCでいうとCPUに相当するものだ。多くのフライトコントローラーにはスマートフォンにもついている気圧センサーとジャイロセンサーがついていて機体の姿勢制御を行っている。左前が下がれば、左前モーターのパワーを上げる指示を出し、機体を水平に保とうとする。フライトコントローラーからの指示は、ESC(Electronic Speed Controller)に伝わり、モーターの回転スピードをコントロールする。
4つプロペラが付いたクアッドコプターの場合、後方2つのモーターの出力を上げれば姿勢が前傾になり前に進む。右側モーターの出力を上げれば左側に傾く。

単純に言ってしまえばこれだけのことである。

さらにGPSや超音波などのセンサーを取り付けてより精度の高い飛行も可能になるようだが、僕はまだ試したことがない。GPSは只今制作中の新しい機体に取り付けて遊ぶ予定である。

フライトコントローラーの制御は、ラジコン用のプロポを使う。スティックを動かすと機体に付けたレシーバーに信号が伝わりフライトコントローラーに指示が出る仕組み。他にも通信方法はあるようだが一般的にはこの方式が多いと思われる。
(まさかこの歳になってプロポで遊ぶことになるとは思ってもいなかった 笑)

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現在制作中の自作ドローン「Millennium Savoia S.3」手前に立っている白い円形のアンテナがGPS

■ドローンの使いみち

ドローンでなにするの?というと、一番イメージがわきやすいのが空撮であろう。ミニカメラを付けたおもちゃドローンからハイアマチュアやプロのカメラマンが使う本格的な撮影用ドローンまで様々な機体が存在している。
僕が最初に買った機体(RC EYE One Xtreme)はアクションカメラGoProを装着できる2万円ちょっとのトイドローンであった。もちろん最初に空撮をやってみたかったからである。


ドローンを飛ばして2回目のフライトなので下手くそなのはご容赦ください(笑)

ドローンレーシングも熱い。ドローンレースは機体の先端に小型カメラを取り付け、飛んでいる映像をゴーグルで見ながらコントロールするFPV(First Person View)で行われることが多い。これがめちゃくちゃ面白そうなのである。

いまドローン界で普及している無線システムを国内で使おうとするとアマチュア無線の資格が必要になる。現状、映像を送信するのに5.8GHz帯を利用するケースが多く、その周波数帯を使うにはアマチュア無線免許4級以上が必要なのである。僕も9月に試験を受け、無事免許を取得した。ただいま無線局開局申請中で、許可がおり次第、機体にカメラと送信機を取り付けて遊ぶ予定である。
面白いところではドローンフィッシングなるジャンル(?)まであったりする。

連日ニュースで報道されるように、産業分野での実証実験や実際の活用も進んでいる。
農作物の生育状況の確認や農薬散布(房総フィールドの野菜には農薬は使っておりませんので悪しからず!)、SfM(Structure from Motion)を使った地形の3Dマッピング、そして、Amazonや楽天が始めている物流などがある。

現状のドローンの使い方を端的に言うと、ラジコン的な個人のホビー用途と、映像撮影や産業用分野などのプロフェッショナルな領域での活用がごちゃごちゃとした状態で様々な実験が進んでいるような感じである。

■ドローンのわくわく感は何かに似ている

ドローンの存在はMacintoshを手にした時のわくわく感に似ている。
初めてPhotoshopやIllustratorを操作した時、それまで特定の技術をもった人のみに与えられていたコトを、僕に解放してくれたような気がしたのだ。

スタンドアローンであったパーソナルコンピューターはやがてインターネットに接続され、Yahoo!、Googleが検索サービスを始める。そしてデジタルカメラが写真のあり方を変え、iTunes/iPodが音楽の聴き方を変え、WEB2.0が始まりSNSで個人が情報を発信することが当たり前になった。
その間デバイスはデスクトップ→ノートブック→スマートフォン、タブレットへと進化していく。
ドローンはその延長線に存在しているのは間違いない。事実、スマートフォンがここまで普及しなければ、安価にフライトコントローラーを入手することはできなかった。これからパーソナルコンピュータがたどったように、ドローンはものすごいスピードで進化していくのであろう。


脳波で飛ばすドローン研究も進んでいる

ディスプレイのなかで進化してきた一連のテクノロジーは、現実世界の空域に新たなフロンティアを求め始めた。まだどうなるかわからない混沌とした状態だからこそ余計わくわくするんだよね。きっと。

巷ではIoTやAI、ブロックチェーンなどがバズワード的に盛り上がっているが、一言で言ってしまえば、今までデータのやり取りしか出来なかったインターネットが「リアルの世界に触手を伸ばしてくる」ことだと思う。ドローンはそういったテクノロジーをベースに、リアルの世界のアクチュエータとして機能するようになる気がしている。

これからドローンがどのように進化していくかは、同時並行で進む他のテクノロジーとの融合によって大きく変わってくると思われる。きっと5年後には、今では想像も出来ないような使い方をしているのであろう。
これからドローンが飛び交う世の中がどんな風になっていくか妄想することは楽しいことである。

■モノを運ぶコミュニケーションプラットフォームとしてのドローン

インフラ面でのドローン活用でイメージがつきやすいのは「物流」であろう。輸送・宅配業での活用はもちろんであるが、「個人間のモノのやりとり」にもドローンが活用出来るようになるといいなと思う。
いま我々はメッセンジャーやSNSでテキストと映像のコミュニケーションをしているが、ドローンの登場によってモノによるコミュニケーションが実現するかもしれない。
僕の場合だと、房総フィールドで収穫した「採れたてオーガニック野菜」を東京の実家や友達のもとに届けたりして、新たなコミュニケーションを始めて見たい。僕は料理が苦手なので、その野菜を使って料理したものをサーモジャーに入れて戻してくれれば最高である(笑)

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ただ、現状普及しているドローンの性能だと「飛行時間」「コントロール可能な距離」「墜落リスク」などの課題がある。
コンシューマー向けに販売されているドローンは一般的に5分から30分程度の「飛行時間」しかない。これはドローンで使われるLiPoバッテリー(リチウムイオンポリマーバッテリー)の容量とペイロード(積載重量)、機体の重量、消費電力のバランスで決まる。
さらに、一般的に使われている2.4GHz帯を使ったコントロールはどんなに頑張っても1kmが限度であろう。
(試したことはないので詳細はわからないけど)

そして、今後ドローンがどんなに進化しようとも墜落のリスクは残ると思われる。
それらの課題を極力回避しながら「モノを運ぶ」ドローンのプラトットフォームをイメージしてみた。

■ドローン航路 ドローンチューブ

ある程度重量があり、プロペラが高速で回転するドローンが上空から落下してきたら、家や車を破損したり、人に当たって怪我をさせてしまうリスクが高い。僕も組み立て時のミスで、自分めがけてすっ飛んできたドローンで指先をカットしてしまったことがある。これがデータのやり取りしか出来ないインターネットワールドとの大きな違いである。
そういったリスクを軽減するには落ちる場所が安全であることが必要である。物流を考えると飛行機の航路のようなドローン飛行ルートを整備する必要があるように思う。

アイデアとしては国道と高速道路、JR/私鉄沿線の上空に、落下防御ネット張り巡らした「ドローンチューブ」を整備し、その中を飛行するのはどうだろうか?イメージとしてはインターネット回線網を駆け巡るパケットのリアル版である。
別の方法で安全が確保できる技術が現れたら別だが、いまの時点で思いつくものが他にない。
特に人口が密集する都市部においてはこういった安全な飛行ルートを確保することが必要だと思われる。
それ以外課題は、既にあるテクノロジーを組み合わせれば実現出来てしまうと思う。

例えば、こんな感じ。

■GPS+LTE+超音波センサーでの自立飛行

モノの送り手は、スマートフォンで目的地を設定しドローンに転送する。
するとドローンのプロペラが回り、最寄りの「ドローンチューブ」までGPSで自立飛行を開始する。その間の通信は携帯電話で使用されるLTEネットワークが使われる。衝突リスクに関しては超音波センサーで障害物を回避しながら自立飛行する。
GPSの自立飛行は既に実現しているし、LTEネットワークを使ったコントロールも実証実験が始まっている。先日発売されたDJIの最新ドローン「MAVIC」にもセンサーで障害物を回避するシステムがついている。

速報:ドコモが「ドローン」に参入。LTEで遠隔地に飛行、11月に実証実験

■ドローンチューブ内の管制システムとワイヤレス給電

「ドローンチューブ」に入るスポットは、高速道路のインターのような「ドローンインターチェンジ」が出来るであろう。
「ドローンインターチェンジ」から「ドローンチューブ」に入ると自立飛行が解除され「ドローン管制システム」が機体制御を行う。
インターネットのパケット通信のように機体にセットされた目的地を読み取り、目的地近くの「ドローンインターチェンジ」までの最短飛行ルートを決定する。また飛行中に機体同士が衝突しないよう距離とスピードをコントロールしながら目的地まで飛行するのだ。さらに「ドローンチューブ」からワイヤレス給電されるので飛行距離を心配する必要はない。

「ドローン管制システム」は自動車の自動運転技術が応用できそう。「ドローン管制システム」との通信はLTEでも良いが、BluetoothやFeliCaで使われているRFIDで機体識別、制御もできるであろう。ワイヤレス給電も技術的には可能である。

ドローンへのワイヤレス充電が可能に!日本電業工作とエンルートが実証実験

■電波誘導でドローンパッドへ着陸

目的地付近の「ドローンインターチェンジ」についたら機体は「ドローンチューブ」から離れ、再びGPS+LTEで自立飛行を開始。受け取り主に何分後に到着するかメッセージを送信する。もちろん飛行中、どこを飛んでいるかは送り主、受け取り主ともに確認出来る。
GPSで指定された緯度経度まで来ると、ヘリコプターの離着陸地点にあるHマークのような「ドローンパッド」が各家庭に用意されており、機体を識別し着陸を電波誘導する。スターウォーズでミレニアム・ファルコンがデス・スターに捕獲されるイメージ(笑)

民生用の電波誘導装置があるのかは調べていないけれど、飛行機の自動着陸で使われている計器着陸装置 LIS(Instrument Landing System)を応用すれば技術的には可能であろう。

といった感じで、ここ最近、頭の中で考えていることを文章に起こしてみると、手が届きそうだけど、あとちょっと!的な感じがしてならない。

でも、きっとあと5年したら当たり前になっているような気がする。いやもしかしたら3年くらいかも?!

さぁ、しっかり遊んで未来をたのしもう!

そんな未来が来るまでの間、毎週末 房総フィールドに美味しいご飯を届けてくれる人いないかしら?(笑)

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