野菜を育てはじめる前は知りませんでしたが、植物のタネには種類があります。
どんな植物でもタネが採れれば来年も同じ作物が育てられるかというと、必ずしもそうとは限りません。花を付け、タネが落ち、そこからまた芽がでるという自然なサイクルを繰り返せるのは固定種というタネのみです。
ホームセンターなどで売られているタネの袋にF1とか交配と書かれたものがあります。これらのタネはFilial 1 hybridの略で、優位性のある親(甘いとか大きいとか多く収穫できた親)を人為的に交配したハイブリッドなタネなのです。
なぜこんなタネがあるのかというと、同じ大きさ、同じかたちで安定的に収穫できるようにするためで、農業ビジネスと密接に結びついています。この辺の話は賛否両論ありネット上に数多く記事があるのでご興味があれば検索してみてください。
いま私たちは季節を問わず様々な野菜を購入することができます。スーパーにはサイズのそろった野菜たちが整然と陳列されています。そして市場に流通している野菜のほとんどがF1種とも言われています。(オーガニックと謳われている野菜も、タネが固定種かF1かまでは明記されておらず判別がつきません)
F1種と固定種の野菜を比較すると栄養価が低くなっているなどの話もありますが、むしろ問題は、見た目は同じでも知らぬ間に中身がすげ変わっていることだと思います。工業製品であればまだしも、身体を作り、生命を維持する食品までもがそのような状況にあり、気がついたら選択肢すら残っていない状況です。
この状況に対するオルタナティブな選択肢があるとしたら、生育過程、流通経路がクリアなルート確保するか、固定種のタネを貰ったり、購入したりして自分で作るしかありません。
違和感を覚えたことに対し意義を唱える方法はいくつかありますが、そのことから離脱し、自分の手で再構築するのもそのひとつ。それがオルタナティブライフなのです。
野口のタネ
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