1956年 米国の家具メーカーKnoll(ノール)より発表されたチューリップチェア
ニューヨーク JFK空港 TWA専用のTerminal5(現TWA Hotel)を設計したイーロ・サーリネンがデザインしたミッド・センチュリー・モダンを代表する椅子のひとつ
20代の頃、この椅子の存在を知りモダンファニチャーの世界にのめり込んでいくことになります
好きが高じて学生時代から30歳になるあたりまで家具屋で働いておりました!
そして、このチューリップチェアは僕が購入した最初の椅子でもあります

1995年にKnoll JAPAN(当時は西武傘下)で購入してからはや31年
先日、椅子を移動させようとアームシェルを持ち上げたら、なんかグラグラするなと思い、分解してみると

なんとスイヴィル(回転装置)のロッドが折れているではありませんか!
家具屋時代の仲間にスイヴィルだけ手に入るか聞いてみたものの難しそう
う〜ん、中古でもう一脚買ってニコイチにするか?!

ひとまず、回転装置の中で折れたロッドを引き抜いて代替品を差し込んでみようと思い、友達のクルマ屋さんに持ち込んでみましたが

全然抜けない・・・
このスイヴィル、構造がまったくわからない・・・
半ば諦めかけていたとき、ドイツのリペア屋さんでスイヴィルパーツが販売されていました!
在庫1だったので早速オーダー

注文してから5日ほどで到着(via DHL)
Vitraの箱に入っていたのですが、Vitra社のものかは不明

左側が新品のスイヴィルとブッシュ+C型スナップリング+ワッシャーセット(おまけでHARIBOが入ってました 笑)

早速組み上げていきます
余談ですが、スイヴィルを固定するボルトを留めるカバーを初めて外してみましたが、シェルに「vérifie le 26 OCT. 1994」と刻印があります
ということはこのシェルはフランスで作られたもの?!

まずは座面 クッションの下にネジ留め用のプレートを置き

スイヴィルをシェルの裏側からネジで固定していきます

付属のブッシュを嵌め

脚部を差し込み

C型スナップリングで固定
スナップリングを取り付ける難しい!(マイナスドライバーで無理くり開きながら取り付けました!)

1時間ほど作業し無事復活!
おかげさまで快適です♪
こんなニッチなパーツを作ってくれてありがとう!
・Tulip Chair Swivel Replacement Unit - center shaft €210,00
・Tulip Chair Swivel Replacement Unit - fittings only KNOLL €83,95
・Shipping €45,99 via DHL
TOTAL:€339,94(≒ ¥66,000)
・関税:¥5,400
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デザインされてから70年、僕が使い始めてから30年近く経つチューリップチェアですが、いまだに見飽きることなくフォルムの美しさは色褪せません
最近のプロダクトや建築で、70年経っても新鮮さを失わない耐久性のあるデザインってあるのでしょうか?!

1926年に竣工した同潤会青山アパートと2006年に竣工した表参道ヒルズ
表参道ヒルズは今年20周年を迎えるそうですが、80年後、こんなふうに「一部だけでも残そうよ!」ってなるとは思えないんですよね
短期的な収益やシンボリックであることだけでなく、人が見て触れて訪れること、周辺の環境や景観、歴史などをひっくるめて設計、デザインしないと「なにかが」途切れてしまうですよね
まぁ、それが今っぽいと言えば今っぽいんでしょうけど