南国の空港に降り立つと、強い日差しとムワッとした空気に包まれますが、あの瞬間が堪らなく好き!
身体の内側から生命力が湧いてくるような感じがするんですよね
暑いのはしんどいですが、それでも夏が好きなのはそれが理由なんだと思います
夏至を過ぎると植物たちの勢いも増していきますが、彼らも太陽から降り注ぐ光を受けて生命エネルギーを爆発させています
植物は光合成という仕組みにより生命エネルギーを生み出していますが、人間の場合は捕食からエネルギーを得るのが基本です
にも関わらず、この季節になると内側からエネルギーが湧いてくるような感覚になるのは何故なのか?
それはおそらく、人間の奥底に眠っている野生的なものが刺激されるからなのでしょう
日々の出来事に追われていると、どうしても思考優位になりがちで、知らず知らずのうちに一定の枠の中で行動するようになってしまうもの
暑さと日差しにやられてアタマの回転が鈍くなると、自分を規定している境界線が曖昧になり、奥底に潜んでいたものがジワ〜っと染み出してくる感覚があります
これがおそらく生命力の源であり、人間が作り出したものの外側に触れている瞬間なのでしょう
おそらく我々は、普段、当たり前と思ってやっていることにエネルギーを吸い取られ生命力を奪われているのです
仕事や家庭でやらなくてはいけないこと、テレビやSNSに費やしている時間、学校や社会から知らず知らずのうちに刷り込まれてしまった常識や価値観
そういった目の前のタスク、外側に向く意識、社会通念といったものをぜーんぶ取っ払ってみると、生命力に満ち溢れた素の自分が姿を現してくるはずです
夏の眩い光とパワフルな日差しは、半ば強制的に素の自分を炙り出してくれるのです
アルベール・カミュ 異邦人の主人公 ムルソーが殺人を犯した理由を「太陽が眩しかったから」といった感覚もなんとなくわかるような気がします
仕事も人間関係も住んでいる場所も、多かれ少なかれ自分の意思でそれを選んでいるわけで、現在置かれている状況に違和感を覚えていたら、この強烈な光と熱を利用して自分を縛っているものを解き放ってみると良いかもしれません
まだまだ窮屈ですからね、この三次元世界って!
そうそう、ムルソーのように殺人を犯すほど理性のタガを外してしまうと後々に響くので、時々木陰に入ってクールダウンしましょうね!