少年ジャンプの「すすめ!!パイレーツ」で漫画家としてデビューし、その後はイラストレーターとして活躍されている江口寿史(えぐちひさし)さん
江口寿史さんが描いてきた作品を集めたイラストレーション展『彼女』
2018年の金沢21世紀美術館からスタートし全国巡回中で、ただいま千葉県立美術館で開催されています(2023年1月15日まで)
江口さんの作品は、漫画とイラストの中間のようなテイストで、女の子がもつ「可愛らしさ」「小悪魔性」「母性」的なエッセンスを抽出した独特の作風
彼の作品は誰しもがどこかで見かけたことがあるでしょう
男目線からすると、女の子が何気なくしている時に醸し出す表情や仕草に「ドキっ」とさせられる瞬間というものがあって、その一瞬を捉えたような感じがします
会場内にあった本人の解説ではこう表現されています
「彼女」とは、恋人であり、妻であり、娘であり、母親でもあります。
クラスメイトや同僚や幼なじみ。もっと様々な関係性もあるでしょう。
そんなすべての女性に対する憧れと尊敬の気持ちを込めて、
ぼくは「彼女」たちの絵を描き続けています。
そしてとても素敵だな、と思ったのがこの一文
ぼくは自分で絵が上手いとは決して思いませんが、
自分のえが大好きなんですよ。
作風の変化
80年代後半の作品
漫画チックなテイストが残っていると同時に時代を感じさせられますね
1990年代から2000年代にかけて徐々に漫画テイストから、アンディ・ウォーホールやロイ・リキテンシュタイン風のポップなエッセンスが混じり合い、現在の江口寿史テイストが確立されてきます
イタリアの漫画家 グイド・クレパックスの描いたヴァレンティーナっぽい表情ですね
音楽 x 江口寿史
大瀧詠一 A Long Vacation 40周年トリビュートアルバム用に描かれたイラストは、オリジナルジャケットのカバーを描いた鈴木英人テイストの中に江口寿史ガールが溶け込んでいます
彼女が向かっている海がジャケットに描かれたビーチであると思うと、時空を超えた感覚になりますね
上のロイ・リキテンシュタイン風の作品は銀杏boyzのジャケットですし、江口寿史さんの作品と音楽との相性は良いですね
他にも、岡村靖幸、スカパラ、大森靖子、吉田拓郎などのカバージャケットに使われた作品が多数展示されています
ブランドロゴ x 江口寿史
ブランドとタイアップしているいないに関わらず、ブランドロゴとキャッチーでポップな作風との相性は良いですね
自由奔放な女の子 x CHANEL COCOのコンビネーションってヴァネッサ・パラディを思い出します!
なぜかこの手のイラストには、Nikeでもなく、Pumaでもなく、adidasが映える!
あと、コンバースとニューバランスも!
Polaroidのロゴが入っていなければ味気ない印象になりそうな作品
やっぱりブランドロゴって力ありますね
Honda Super CUB 60周年に描かれたイラスト
江口さんの描く女の子が入ると不思議とプロダクトの魅力が増します
街中の女性
「美少女のいる街風景」シリーズ
日本各所、その街にいそうな女の子が描かれています
上が銀座、下が沖縄 コザ
っぽいですよね!
ワイン雑誌 Real Wine Guideの表紙に描かれている女の子シリーズも素敵でした
なんか惹かれるなぁ、この表情!
展示の最後にあったドローイングムービー
ひとつひとつの線が繋がり魅力的な「彼女」が浮かび上がってくる様は、まるで魔法のようです
絵を描くのは苦手ですが、写真なら撮れる!
こんな魅力的なポートレートを撮れる様になりたいものです
画集見ながら「ドキっ」とする瞬間のエッセンスを盗み出そうかな!
でもそれやり始めるとポートレート用のレンズが欲しくなっちゃうんだよな、きっと(笑)
超広角を使いこなせる様になるまで我慢しようね、僕(笑)