母親からのリクエストでスツールを作ってみました
11月に亡くなった親父がリハビリをしている時、途中で座り込んでしまうことが度々あったそうで、お散歩ルートに座って一休みできる場所がいっぱいあったらいなぁと思っていたそうです
葬儀が一段落した頃、
「家のまえにベンチを置こうと思ってるんだけど、なにか良いのないかしら?」
と聞かれ、なんでそんなもの置きたいのか尋ねたところ
「お父さんみたいにリハビリで歩いている人が休める場所を作りたいの」
とのこと
ホームセンターに屋外用のベンチを見に行ったりしたものの、ピンっとくるものがなかったようで、暫し保留になっていました
数日前、突然「こんなのどうかしら?」とメッセージが届き、見てみると石巻工房さんのスツール
石巻スツールは、アメリカの家具会社ハーマンミラーが行った、仮設住宅の住民や小学生たちと一緒に家具をつくるワークショップのために設計されました。このスツールをデザインするにあたり、石巻工房のメンバーは仮設住宅の現状をリサーチしました。仮設住宅では、ビールケースをスツール代わりに使っている人たちが少なからずいます。また、天袋に荷物を入れるときの踏み台、玄関で靴を履くときの椅子が必要とされていました。そこで、このコンパクトかつ軽やかなスツールをつくることになりました。
ハーマンミラーがワークショップしたのか!
僕は、20代の頃、ミッドセンチュリー系のモダンファニチャーショップで働いていたので家具にはちょっとうるさい(笑)
石巻工房さんは、2011年の東日本大震災の被災を背景に生じた材料と技術の制約を前提に被災者とともに家具づくりのワークショップを開催し、家具を提供されたそうです
素晴らしい!
そのDIYスピリットに刺激され、僕の家具へのこだわりをプラスして作ったのがこのスツール
脚部は2x4材、座部は杉板。ホームセンターに行けばどこにでも置いてあるものを使っています
2x4材は1820mmを2本、杉板は房総フィールドで作っているガーデンシンクの端切れ(厚さ20mmx奥行き210mmを2枚)
ひと手間加えたのは脚部
2x4材を斜めにカットして見ました
イメージは、それこそハーマンミラーのスター家具デザイナー チャールズ・イームズがデザインしたコーヒーテーブルCTWの脚や、ジャン・プルーヴェのスタンダードチェアの後ろ脚
脚部はクロスにして見ました
2本の2x4材のセンター部分をそれぞれ半分に切り抜き、相欠き(あいがき)で繋いでいます
クロスしたパーツと脚の接合は、9mmドリルで45mmほど穴を開け90mmのコーススレッドで固定
座面はまだ着けていないですが、同じく9mmドリルで穴を開け65mmコーススレッドで固定する予定です
制作過程は、図面らしい図面も描かず、フリーハンドでイメージを固めただけ
カットもほとんどノコギリ一本!こちらもフリーハンド!
無骨な2x4材そのままの良さもありますが、ひと手間加えるとスタイリッシュになりますね
あとはガタガタする脚の調整、面取して、オイルを塗布して完成です!
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今まで小屋、テーブル、雨水タンクカバーなどなど、いろいろなものをDIYしてきましたが椅子を作るのは初めてでした
ちょうどガーデンシンクのところに高めのスツールが欲しいなぁと思っていたので次は房総フィールド用にアレンジして作ってみよう!