沖縄ワーケーションルームのリノベーションでご一緒させていただいた漆喰マン
その節は大変お世話になりました!
その漆喰マンが東京の現場で作業されているとのことでお邪魔させていただくことになりました
現場の入り口には漆喰が入ったバケツが山のように積まれています
沖縄は60㎡くらいでしたがこちらの現場は350㎡くらい
規模が違いますね
中に入ると漆喰マンを含む3名の職人さんたちが天井を塗っておりました
漆喰の臭いが満ち溢れていています(正確には海藻ノリの臭いだそうです)
この部屋は設計士の意向で黒(乾くとグレー)の漆喰を使っています
まずは天井点検口のプレートで練習させてもらいます
約8ヶ月ぶりの漆喰の感触!
沖縄で使った漆喰は琉球漆喰(ムチ)でしたが、この部屋で使われているのは本漆喰と呼ばれるもの
琉球漆喰の原材料は石灰・稲わら・水だけですが、本漆喰は石灰、麻などのスサ、海藻ノリ、水とノリが入っているのが大きな違いです
ノリが入っているので塗った時の感触が琉球漆喰とは大きく違いますね
とてもスムーズに塗ることができます
漆喰塗り 1面仕上げるまでの工程 塗り1回→塗り2回→押さえ→仕上げ
さて、いよいよ本番
今回は洗濯機置き場の背面を担当させていただくことになりました
ここなら素人がやっても目立たないですからね(笑)
まずは1度目の塗り
入角(天井や隣の壁面の角)を処理
塗り終えている天井面に余分な漆喰が付かないよう気を使いながら隙間を埋めていきます
面の塗りは下地材が隠れるようにしながら、ムラが出ないよう均一にコテで伸ばしていきます
1度目の塗り終えたら、少し乾かして2度目の塗りへ
ここでのポイントは1度目は縦方向、2度目は横方向に動かすことでスサの繊維が縦横になるので漆喰の強度が増すそうです
今日覚えた一番大事なことはここ!
2度目の塗りを終えて少し水が引いたくらい(うっすら白くなる直前くらい?)に押さえという工程へ
なるべく一定方向に、必要に応じてコテに手を当てながら押し付けるように慣らしていきます
ポイントはこんな感じで凹んだ部分を消していく感じです
再び少しおいてから仕上げへ
コテを一方向に動かしながら面を整えていきます
所々漆喰マンに補正してもらいながらなんとか一面仕上げることができました
まぁまぁの出来ですかね?!
と思い、プロが作業している別の部屋を覗いてみたら、うっ、上手い...
とてつもなく綺麗な仕上げです
ぱっと見簡単そうに思えるかもしれませんが実際にやってみると、塗りつける漆喰の量、コテの角度、力の入れ具合、コテの動かし方、全てのバランスが整わないとここまで綺麗にはできません
ある程度は論理的に理解できる部分もありますが、基本的には感性と集中力に依存する作業ですね
漆喰塗りのすすめ 身体にも環境にも良いものは天然素材であるということ
いまどきの内装はほとんどがビニルクロスかペンキで処理しますが、漆喰を塗った部屋とは空気感が全然違います
・漆喰の主成分は石灰で強アルカリ
・殺菌効果も高く、静電気を発生しにくいので汚れもつきにくい
・多孔質で調湿効果があるし、CO2も吸収する
などなど科学的理由もあるのでしょうが、ケミカルなものを一切使用していないことを五感で感じとっていることも大きな要素だと思います
東京自宅のリノベーションはペンキで仕上げましたが、しばらく臭いは残るしあまり気持ち良いものではありません
ちょうどその頃、業者さんに外壁塗りをお願いしていたのですが、作業が終わった数ヶ月後に受けた健康診断では馬尿酸値が高く出ました
馬尿酸は有機溶剤 トルエンの代謝物
こういった素材は、施工が早い、コストが安いといった理由で採用されるわけですが、そろそろ本質的なところに立ち返ってイチから立て直す時期なのだと思います
それは建材だけの話ではなく、食べるもの、身につけるもの、日常利用している様々な製品・サービス etc と、ありとあらゆるところに潜んでいます
もし少しでも立て直す必要があると思うなら、それらを提供する側に依存するのではなく、自分がチョイスする全てものを一つ一つ自分の目で吟味していくしかないのです(SDGsなんてただのプロモーションですからね)
吟味するときの基準は「それが本当に自分の心身に良いものなのか?」から始めるべきで、その基準で選ばれたものは必然的に身の回りの環境にも良いもののはずなのです
そしてもうひとつ
自分で作ってみること
自分の手を動かしていると、思考ではなく、体感的にモノゴトの矛盾と本質が見えてくるものです
今回の漆喰塗りはあと1週間ほどかかるとのことなのでまたやらせてもらいたいところですが、本業が立て込んでいるのであと1回行けるかどうかといった感じです
なんでお金にもならないところに時間と労力をかけるかというと、手を動かした分だけ見えてくる新たな地平があるんですよ!
それを見たいんです。僕は!
余談ですが、現場までクルマで行くことにしたので、昨日届いたポタ電 EcoFlow DELTA2をシガーソケット経由で充電していました
往復2時間、だいたい100W前後で充電していたので200Whほどチャージすることができました
つまり、この記事は漆喰塗りの往復で発生した余剰電気で書かれということです
ほら、なにか見えてきそうじゃないですか?!
そういうことです!