房総フィールドでは原則 固定種のタネで野菜を育てています
タネを採っても翌年以降発芽しなかったり生育が悪くなる一代交配種であるF1種とは異なり、固定種のタネは通常の生命サイクルを繰り返すことができるタネ
タネ袋に一代交配種、一代雑種などと書かれていたらそれはF1種のタネ。ちなみにホームセンターなどで販売されているタネ袋をよくよく見るとほとんどがF1種だったりします
房総フィールドの畑も4シーズン目を迎え、なんだかんだとストックしているタネが増えてきました
今は100均で購入した紙袋に品種と採種年を書いて、Amazonの段ボール箱に入れていますが、箱の中がぐちゃぐちゃになってきて、何のタネがあるのか分からなくなったり、タネ袋の中に虫が入ってしまい喰われて穴だらけになったりしたので、保管方法を考えようと思っています
タネの採種と保管方法
ここ数年の経験では、大抵の植物は1株から多くタネが取れるので、1株〜2株を採取用に残しています
収穫期を過ぎてしばらくすると花が咲きタネをつけたり、残しておいた実からタネがこぼれてきます
採種する際はなるべく晴れの日が続いて乾燥したタイミングが良いです
採種したばかりのタネは乾燥しているように見えても意外と水分を含んでいるので、ビニールの袋に入れておくと水分が蒸発して曇ってくきます。場合によってはカビでしまうこともあるので、室内で十分乾燥させてから紙の袋に入れるようにしています
ただ、袋に入れておくと翌年の種下ろしシーズンまで入れっぱなしになるので、虫食いが発生していた時は涙もの(笑)
今シーズンは、小豆がやられておりました
来シーズンからはガラス容器か試験管でタネを保存してみようかと思案中です
タネの保存期間
そしてタネには寿命があります。基本的には常温保存で2年くらいと言われていますが、植物によってその寿命は異なるそうです
短命種(1〜2年):にんじん、ネギ、玉ねぎ、落花生、紫蘇、三つ葉
常命種(2〜3年):稲、麦、とうもろこし、そら豆、大豆、キャベツ、レタス、インゲン、エンドウ、ホウレン草、唐辛子、インゲン、
大根、カブ、白菜、きゅうり、カボチャ
長命種(4年以上):ナス、トマト、ピーマン、スイカ、小豆
短命種の玉ねぎなどは冷蔵庫で保管した方が良いと言われたりしますが、本来自然の中で種を残してきたタネ達をそこまで管理しないといけないのか?とも思います
家庭菜園であれば、翌シーズンの生育が悪かった際のバックアップ用に少し多めに採種しておきながら、サイクルを回していけば良いでしょう
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北極圏 ノルウェー領 スピッツベルゲン島には世界中の種子を保管する「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」というシードバンク(種子銀行)があります
2008年にビル・ゲイツらの出資を受けて設立され、現在11年目
Svalbard Global Seed Vault
https://www.seedvault.no/
目的は今後発生するかもしれない気象変動や災害、ウィルスなどによる植物の死滅、戦争といった脅威から農作物の絶滅を防ぐため
別名、現代版「ノアの方舟」と呼ばれています
ここではマイナス18度〜20度で種子を冷凍保存しており、20年ごとに種子を入れ替えることになっているそうです
危機意識に対するアクションとしては面白い活動だし、考え方には100%同意なのですが、20年もの間、生命のサイクルを断たれたタネが本当に発芽してくれるのかは誰にもわかりません
むしろ、毎年生命のサイクルを回し続ける方が自然な状態です
四季の移ろいを感じながら、自ら作物を育て、タネを採り、翌年また育てるというサイクルの中に身を置いていると、僕自身も自然のリズムに同調してくる感じがします
規模はちっちゃいけれど、どうせやるならこっちの方が健全じゃない?!
って思っちゃうんですよね(笑)