房総フィールドにある素材で
なにかモノを作れないか?
とずっとずっと考えていましたが、なかなかピンとくるものが見つからず、その夢はもやもやっと心の中に漂っていました
先月お米の脱穀をしながら籾が落ちた稲穂を眺めていたとき
これでほうきが作れそう!
と、ようやくピンっとくる素材を見つけられたので、早速作ってみることにしました
脱穀した稲藁を見てみると、ほうきに使えそうな穂先(籾がついていた穂先)は藁の中に包まれており、細い茎を引っ張るとひっこぬけることがわかりました
これを集めて束ねればほうき的なものが出来そう!
ネットでほうき作り方を調べたり、家にあった手ぼうきをじっくり観察しながらどうやって作るのかイメージしていきます
ほうきの基本的な構造は、毛先になる部分をある程度束にしてまとめたものを連結し、肢をくっつけているようです
手ぼうきの場合は肢をくっつけず茎の部分を束ね紐状のものを巻き付けて肢にするみたい
基本的な作り方がわかったので早速チャレンジ!
稲束から籾がついていた穂を抜き取り20本ほどを束ね
それを6セットまとめて結いた後、稲藁を巻き付けてみました
見た目はちょっと納得いきませんがちゃんと使えます!
ひとまずプロトタイプを作ってみて、構造と作り方を体感できたので、他にもいくつかバリエーションを作ってみようと思います
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ほうきの作り方を調べていると、普段使っているほうきは「ほうき草(コキア)」という植物の茎を使っているそうです
他にも棕梠や竹、ススキなどを使ったほうきがあります
身の回りの自然にあるものを素材に生活に欠かせない道具を作れるこことがわかり、楽しみがひとつ増えました
今回は自分で育てたお米の残りを使っているので面白さは倍増
稲ができる工程も把握しているし、当然無農薬だし、素材に余分なものは入っていません
お金を払ってモノを買うことがベースにある社会に暮らしていますが、野菜もそこそこ採れるようになってきたし、今年はお米も作れたし、自宅のリノベーションもできるようになった
ここ数年、DIYでいろいろなものを作り、食べ物を育ててきて、少しずつそのシステムから切り離されたところで生活の一部が回り始めているのを感じています
手間はかかるし、時間もかかるし、買ってしまった方がラクだしクオリティも高い
でも、生活をするためにお金を稼ぎ、稼いだお金で生活を回していくというお金ベースのライフスタイルが唯一の世界ではないのです
「自分の手で作る」プロセスは、そのシステムの外側にある世界を垣間見るためのものでもあるということを感じる2020年の秋でした