野菜を育てる際に必要とされる栄養素は17種類あるといわれています。代表的なものはリン酸、カリウム、窒素、カルシウム、マグネシウム。これらが土壌にどれだけ含まれているかによって出来不出来が変わってきます。
しかし、目の前にある土壌にどの要素がどれだけ含まれているのかを把握することは容易ではありません。家庭菜園などでは、教科書通りに肥料を施すことが多いようで、養分が充分あるにもかかわらず追肥してしまい栄養過多になっていたりすることもあるようです。土壌分析サービスを提供している会社はいくつかありますが、土壌のコンディションは数10センチ離れただけで変動します。正確に畑の状態を測定しようとすると複数箇所を計測する必要がでてくるため、面積のある畑ではそれなりの費用がかかってきます。
そこで登場するツールがECメーターとpHメーター。この2つの測定器を使うことで比較的容易に土壌のコンディションを把握することができます。
ECメーターは土壌の電気伝導度を測るもの。土壌の中にある栄養素はイオンの状態で溶け込んでいます。イオンが少なければ抵抗が大きくなり電気は通りにくく、多ければ電気を通しやすくなります。その電気伝導度をECメーターで計ることで土壌にどれくらい栄養素が溶け込んでいるのかの目安になります。一般的には0.1~0.3mS/cmとされています。
pHメーターは酸性度を測るもの。pHは水溶液中の水素イオン濃度を示すもので、pH 7.0で中性、それ以下になると水素イオン濃度が高くなり酸性に傾いていきます。酸性が強ければリン酸の吸収がしにくくなり、アルカリに傾くとマグネシウムや鉄分の吸収が妨げられます。野菜により異なりますが、一般的にpH5.5~6.5付近の弱酸性あたりが育ちやすいとされています。
このEC値とpH値を適正範囲にコントロールすることができれば、あとは天に身を委ねるだけで美味しい野菜が食べられるというわけです!
そう、全ての始まりは土にあるのです。
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シンワ測定株式会社
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