オランダのアーティスト テオ・ヤンセンの作品は紙面やYouTubeで目にしたことがありましたが、彼の作品は実物を見ないと理解できないと思い、同氏の企画展を開催している千葉県立美術館へ向かいました
テオ・ヤンセン氏の作品は、竹ひごのような骨組に布切れを巻きつけた風情の巨大な物体
ぱっとみた感じ、映画 マッドマックスに出てきそうなフォルムをしています
現代アートだと、この手の作品は静的なオブジェであることが多いですが、彼の作品は「リアルに動く」のが特徴
大学で物理学を学んだあと、画家に転向し1990年から動く巨大な骨組みオブジェ「ストランドビースト」なるものを作り始め、YouTubeで公開したところ、アメリカ航空宇宙局 NASAからもお声がかかるほど話題になっています
まるで生物のような動きをするビースト
可動部分はホーリーナンバーと呼ばれる理論で構成され、生物のような動きを再現しているそうです
動力はビーストに張られた帆が受ける風
どこかアナログ的ギーク感漂うサイエンティフィックアートといったところでしょうか?!
テオ・ヤンセン展@千葉県立美術館 展示風景
展示ブースでは、こんな感じでビースト達がいっぱい並べられています
かなり巨大で、これを設計し人力で組み上げたかと思うと「どんだけや!」と思ってしまうのは僕だけではないはず!
1体だけ人力で押すことができるビーストが展示されていますが、やはり風の力で動くビーストを見ないとなぁというのが率直な感想です
ビーストの骨組みはプラスチックパイプをタイラップ(結束バンド)で繋ぎ合わされておりました
使われている素材は意外とチープな印象ですが
可動部分の構造はかなり複雑
相当な試行錯誤を重ねてきたんでしょうね
ビーストの可動部分に使われているホーリーナンバーはコンピューターでシミュレーションを繰り返して生み出されたも
展示ブースの隅っこにテオ・ヤンセン氏が使っていたと思われる1985年 ATARI STが展示されておりました
このPCに搭載されていたMPUは、Apple初期のコンピューターLisaや1984年に発表された初代Macintoshにも搭載されていたモトローラ68000(通称 68K)
このブログを書いているMacBookの遠い祖先と同じDNAを持つマシンと思うと愛おしくなります!
話がそれましたが
テオ・ヤンセン氏の作品を間近で見る機会は少ないと思うのでそれだけでも価値はある企画展でした
でもやっぱり風で動くビースト達が、浜辺で何体も彷徨っている様子を見てみたいですね
ちなみに12月10日に千葉県立美術館脇、千葉ポートタワー下で動かすとの情報を聞きつけ見に行ったのですが、人が押して動かしていたのでビーストの生物感はあまり感じ取れませんでした
風を食べて自立歩行するビーストを見れることがあったら、それはきっと、AIやロボティクスを活用した生命的なものとは異なる、原始から自然の中に存在していたような生命感を感じるのだと思います
ここ数年、生成AIが日常に入り込んできていますが、今後学習が進み自立的に動き出す時が来たら、多かれ少なかれ何らかの違和感を感じることになるのでしょう
その時、ビースト的な感性 ーコンピューターの中にあるアルゴリズムに依存しない挙動ー の価値が見出され、場合によってはそれらが融合していくのかもしれません
オーガニックとケミカルの融合的な感じで
それにしても、なぜ人類は神を目指そうとするんでしょうね?
もしかしたら、我々は、その昔、別の惑星か別次元の存在によって誕生させられた生命体で「なぜ人類は神を目指すのか?」の問いを解明するためにシミュレーションさせられているだけなのかもしれません
我々を作り出した存在は
「ようやく生成AIまで辿り着いたぜ。500万年かかりやがったよ。ふぅ」
「次のフェーズはオーガニックアルゴリズムの取り込みだな」
みたいなことを向こうの世界のX formerly Twitterに呟いていたりしてね!