Camera Soul Searchin'

雲の相貌 色彩がなくなると質感が際立ってくる



写真を撮ろうと思う気持ちが湧き上がってくる理由は、その数秒前に見たものが美しかったり、奇妙に感じたからなのでしょう

シャッターを切る行為は、その瞬間のちょっと前に心が捉えたなにかを残しておきたいという衝動によるものだと思っています

心が捉えたものは、物体のフォルムや色彩、空間の構成だったりするわけですが、その中から要素を省いてみると写っているものの質感が変わってきます

 

この4枚の写真は、週末にiPhoneで撮った空の写真から色彩を省いて荒い感じに仕上げて見たもの

いずれの写真も、ふとした瞬間に目に入ってきた空をなにも考えずに写したものですが、モノクロームにした瞬間、撮った時には意識していなかった雲の相貌が浮かび上がってきました

雲に躍動感が生まれ、なにかを語りかけてくるかのような雰囲気さえ漂ってきます

 

下の4枚がカラーのオリジナル

見比べてみると写っているものや色彩に目を奪われてしまい質感にまで意識が回らなくなるものですね

 

 

普段の生活でも同じことが言えるのかも知れません

TVやラジオ、SNSなどから垂れ流される情報を遮断してみると、外界に向いていた意識が自然と内側に向いていくもの

さらに意識の動きを停止させると、奥底にあるエネルギーの根源のようなものに触れることができたりします

瞑想とまでは言わなくても、「3B」と呼ばれる場所「Bed / Bath / Bus」でぼぉ〜っとしている時にアイデアが降りてきたりするのは、そういった潜在意識の領域にアクセスしているんだと思います

 

世界を別の角度から捉えたり本質を捉えたいときは、なにかを足すのではなく減らすのがポイントということ

「情報が溢れた状態で捉える世界」と「情報を減らした状態で捉える世界」で見えるものが変わってくると、どちらがリアルなのかその境目が曖昧になってきますね

 

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