先日、お隣さんから「高田宏臣さんのワークショップがブランズフィールドであるんだけど行きませんか?」とのお誘いをいただきました
(失礼ながら)「えっ、誰?」と思い、調べてみたところこんなブログが出てきました
地球守 高田宏臣コラム
https://chikyumori.org/category/takadacolumn/
斜め読みさせていただいたところ、土中の環境から土木や生態系、環境改善に取り組まれていらっしゃる造園家の方でいらっしゃるようです
お隣さんの話では 熊野古道(訂正)木曽御嶽山古道の再生にもご尽力されたそうです
なかなか面白そうではありませんか!
ということで、本日、お隣さんと一緒にいすみのブランズフィールドへ
お天気も良く最高です!
暫し敷地内をぷらぷらさせていただき10時からワークショップスタート
ブラウンズフィールドの中島デコさんから今回のワークショップの説明と高田宏臣さんをご紹介
ちなみにワークショップの概要はこんな感じです
高田造園・高田宏臣さん 地球守・土中環境の視点で土地を読む・見立てるワークショップ @ブラウンズフィールド
10/30 (土) 高田造園さんによる、 地球守・土中環境の視点で土地を読む・見立てるWS @ブラウンズフィールドが開催!!
健康な自然環境とは、自然環境の再生と改善をするにはどうしたらよいか、どのように育て、使っていけばよいかなど、地球守の高田宏臣氏にお越しいただいて、土中環境の視点から現地説明をしていただきます。 私たちが日々の生活を送っているブラウンズフィールドは、訪れる人々や動物が心地よい風に身をゆだね、ゆるりと落ち着くことのできる憩いの場でもあります。今回はそんなブラウンズフィールドを取り巻く自然環境を、NPO法人地球守代表理事である高田宏臣さんにお越し頂き、直接説明して頂きます。今よりもよりこの自然が喜ぶ在り方をご自身の五感で学び、探求できる素敵な機会となりますので、お時間ある方はぜひ足をお運び下さい。また、当日はワークショップ終了後、ブラウンズフィールド内に併設されておりますライステラスカフェにてランチプレートをお召し上がり頂けますので、ぜひおくつろぎ下さいませ。
高田さんの視点
高田さんの視点は以下のようなもの
- その土地の風景や傾斜や木々の状態を見れば、そこに脈々と受け継がれてきた先人の営みがわかる
- 土を削ったり盛ったりしながら、生活に必要な水を得たり、その環境を保全してきた痕跡が残っている
- それは、人の頭の中で考え出された合理性からくる管理ではなく、その土地の水の動き、土の動きを見ながら、それらの動きを活かして整えていくもの
- 戦後昭和30年台に入ってから、コンクリートのU字溝や塩ビパイプなどで水をコントロールしてきたが、それは表面上の対応で土地全体の水の動きを見ていない
- 下手に手を加えることで、水が淀んだり、水はけが悪くなったり、大木が枯れたりしてしまう
- 先人達が脈々と続けてきたことの名残が残っているうちに、その土地がもつ調和の取れた環境を整えていく必要がある
- 手を加えて数年様子を見ながら良し悪しを判断し改善することで土地を育て、豊かにしていく
高田さんが発せられた言葉を僕なりに要約しております。間違っていたらすみませんm(_ _)m
高田さんのパースペクティブをお聞かせいただいてから、実際に土地の状態を見ながらレクチャー
ブラウンズフィールドの敷地の縁(へり)に向かいます
高田さんが立っていらっしゃる土手の下は土がぐちゃぐちゃしています
もともと溜池があったみたいで、現在は土手との境にU字溝をはめて排水処理されています
でもこのU字溝が水がはけない理由になっているそうです
普通は「えっ?排水処理するためのU字溝でしょ?!」って思うんですが、コンクリートが水の動きを妨げ、逆に水が抜けにくくなってしまうんだとか
U字溝を取り除き、その隙間に炭、藁、落葉などを敷けば水はけが良くなるとのこと
さらに周囲に蔓延っている竹を全部ではなく2間(約3.6m)ほど刈ると空気の流れができ土の状態が変わっていくそうです
ほんまかいな?!と思うのですが、説明を聞いていると、確かに土中の水は動いているし、ましてU字溝に全ての水が集まるわけではありません
目で見ることのできない水、土、空気の動きが読めるんでしょうね、すごいわ
ちなみにこの土手、800年くらい前に作られたとのこと(なんでわかるんだ?!)
こういうパイプで水を半強制的にコントロールしようとしても一時凌ぎにしかならんということですね
これも土中の水の動きを妨げる要因になっているようです
いすみには300箇所溜池があるそうで、大抵1.5mほど掘れば水が出てくるそうです
昔の人は生活に必要な水を得るために場所を見極め、土を掘って綺麗な水が溜まるスペースを作るノウハウを持っていたんですね
ブランウンズフィールドにあるこの溜池も先人が作ったもの
周りに大木が生えていればその水は動いている証拠
縁から泥が入り込んだりすると水が澱み、大木は立ち枯れていくそうです
周辺の木々の様子や水辺の草についた泥からコンディション読み取って、縁に石を積めばここの水も良くなるとか改良方法をアドバイスされていました
その場の環境を見ながら「なぜこうなるのか」その理由をひとつひとつ解説していただけるので、今まで意識することはなかった土の動きに目が向くようになってきました
橋をかけたところは両脇の傾斜部から泥が川に落ちていき水が淀んでいくそうです
言われてみれば確かに傾斜になっているところに水は流れ、土を削りますよね
当たり前と言えば当たり前なんですが、普段そういう視点では見ていなかったし、まして水の動きなんてそんなに意識していなかったことに気づかされます
土の流出を防ぐ基本は「壁面を垂直にする+土を盛る際に藁・炭・落葉を間に挟んで空間を作る」だそうです
人の通り道になりそうなところも、傾斜のままにしておくと土が流れてしまうので、杭を刺し段々にすると良いそうです
周辺の敷地だけでなく、建物の環境についても解説
現代の建物は設計、土木、建築それぞれが分業になっており、土地全体のバランスを考えた建て方はされていません
昔は風数師や水脈師という人たちがいて、どこに井戸を掘るとか、どこに家を建てるとか、自然の様子を読み解きながら住環境を創っていたそうです
ちなみにそういう人たちはお坊さんが多かったらしいですね
ここでは雨樋から滴り落ちる水の排水について解説していただきました
基本的には屋根から雨が落ちてくるところに溝を掘って石や藁、炭を敷いておくと良いそうです
そうそう、小屋の屋根から落ちる雨って結構土を抉る(えぐる)んです。下手すると地盤が緩んでしまうので、ちょうど対策を考えようと思っていたところでした。参考になります!
これは落ち葉ストック
調理した際に出る残渣と落葉、炭などを混ぜて土に還すものですが、生ゴミ比率が高い場合は屋根をかけた方が良いとのこと
あと大きな木の近くだと下の土がふかふかになっているので水はけが良く設置場所に適しているそうです
確かに生ゴミって水分多く含んでいますからね。理にかなっています
最後は実際に土手作りのレクチャー
溝に対して垂直に掘る → スコップで掘り起こした土塊を垂直に重ね、その上に炭、ある程度絞った藁(わら)、落葉を敷く、再び土を被せ、炭・藁・落葉を重ねミルフィーユにしていくのがポイント
藁や落葉や炭を間に挟むのは、土と土の間に隙間ができ微生物や菌類が住み着くことで空洞ができ、空気と水の循環が生まれ土がしっかりと根付くんだそうです
よく高速道路の脇とか斜めに盛土されていますが、単に傾斜を緩やかにすれば崩れにくくなるわけではなく、むしろ垂直に切って盛った土の定着性をよくしたほうが崩れにくいんだそうです
盛り土をした周りも段々状にして隙間に雑草や落葉を入れていくことで土が流れ落ちにくくなるんですって
なるほどー
小屋の土留が崩れ始めているので、そろそろ修復しないとなぁと思っていたのでこちらも参考になります!
それにしても10時からスタートして12時半ごろまでノンストップで話続け、その情報量の多さたるや!
M1 Proにアップグレード前の僕のSoCでは処理しきれない程!← 来週届きます、MacBook Pro 14"(笑)
でも、なんとなく土地の見方であるとか、土・水・風の動きで土地全体が形作られていることは感覚的に理解できました
よし、房総フィールドで実践してみよう!
高田さん、デコさん、そしてお誘いいただいたお隣さん、有難うございました!
お昼ご飯はブラウンズフィールド ライステラスカフェでヴィーガン・マクロビオティックなプレート
お肉ではないのにまるでロールキャベツ!
最近、糖質依存を改善するべくタンパク質摂取量(≒ お肉摂取量)を増やすよう意識していますが、こんなに美味しい料理ができるなら植物性タンパクにシフトするのもありだな!
美味しかった!脳みそいっぱい使ったから余計に(笑)
ライステラスカフェ裏に生えている芭蕉の葉っぱ
芭蕉は憧れの植物のひとつ。いつか房総フィールドにも植えたいと思っています
そして、今回ブラウンズフィールドにくる機会ができたので芭蕉の葉っぱをいろんな角度から撮りまくりました
これは次のプロジェクトの仕込み!
なにができるかはお楽しみに!(おそらく来年)