東京自宅の出窓
いつもの見慣れた光景を切り取ってみました
人間の視角より少し狭い65mmで撮ると風景が少し違って見えてきます
「これは良い写真だ」と捉える感性は人それぞれで異なりますが、こういったスナップ的な写真の場合、何気なく見過ごしてしまう風景なのに視線を止めてしまう力があるものが良い写真だと思っています
写真の良し悪しを決めるのは、カメラとレンズのコンビネーション、露出やシャッタースピード、現像といったテクニカルな側面もさることながら、ファインダー越しの光景をどう切り取るかという感性の差
テクノロジーが進化しテクニカルな側面が民主化されたとしても、人間が撮影している限りその感性の差は簡単には埋まらないものです
上の写真を撮ってみようと思ったのは、土曜日に箱根 ポーラ美術館でヴォルフガング・ティルマンスの作品に触れたのがきっかけ
窓越しに入る光、そこに置かれたモノの配置、この角度からの撮影
何気ない写真のようにに見えるけれど、緻密に計算された作品だと思うのですが、それを感じさせない構成力
なんだかわからないけれど惹きつける力があります
こういった作品に触れると、自分でもこんな写真を撮れるようになりたいと思うもので、まずは真似して撮ってみたというわけです
そう、すべての創造は模倣から始まるのです!
今日、夕飯の買い出しに行く途中で出くわした風景
これは、現在、エスパス ルイ・ヴィトン東京で展示されている右側の写真の模倣です
このレンズ(Jupiter-9 85mm F2)の特性だとF4あたりまで絞ったほうが葉がくっきりしてイメージに近かったですが、建物をぼかし気味したかったのでF2.8くらいで撮っています
1枚目を撮ったモダンレンズ(Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical)だともっと葉をクッキリ写せましたね、きっと
まぁ、これはこれでオールドレンズの味があっていい感じに切り取れたのではないでしょうか?!
こうやって「いいな」と思った作品と自分の写真を見比べていると、オリジナルの良いと思えるエッセンスと自分の手癖が見えてきて、次の創造へと繋がっていく手応えを感じます
こんな感じで模倣とリミックスを繰り返して時代は前に進んでいくものです
ほら、iPhoneだって携帯電話とPDAをくっつけたところから始まったじゃないですか!