今年の6月から竹橋にある東京国立近代美術館で開催されているゲルハルト・リヒター展に行ってきました
日本国内では2005年〜2006年に千葉県佐倉にあるDIC川村記念美術館で開催されて以来16年ぶりの開催だそうです
ちなみに前回も見に行っていますが、その頃は房総に拠点ができるなんて全く思いもしていませんでしたね(笑)
10:30ごろ東京国立近代美術館に到着しましたが、会期終了間近にも関わらず結構混んでる...
入り口には長蛇の列ができており、チケット購入と同時に入場整理券が配布され11時から入場となりました
そんなにメジャーなアーティストじゃないと思っていたのに皆さんご存じなんですね
余談ですが、この建物の設計は谷口吉郎氏によるものだそうです
谷口吉郎氏は建て替えですったもんだあったホテルオークラ 本館ロビーを設計した建築家で、他にも帝国劇場のロビーや東宮御所の設計にも携わっています
ゲルハルト・リヒターといえば、ペイント作品だけでなく、写真をドローイングしたりペイントしたり、ガラスの反射や透過を利用した抽象表現を追求するアーティスト
抽象画ってよくわからないけど、じーっと見ているとなにか感じていることがあるんでしょうね
言葉ではうまくいえないですけど
こういった作品を見ると
こんなんがアートなのか?!
とよく思うことがあります
けど、作れといわれたら作れないし、これだけ大きい作品を間近にすると圧倒される何かがあったりもするからアートといえばアートなのでしょう
作家の意思で流された塗料が勝手に混ざり合って作られたと思われる作品
どこまで作家の意思が反映され、どこまでが勝手に作り上げたのかよく分かりませんが、まぁ美しく構成されているのは間違いありません
バニラとストロベリとピスタチオのトリプルが溶け出したタイミングを固定化するとこんな感じになるのでしょう!
ブルーシールの店員さんになった気分で見てました(笑)
と、ここまでは「いまひとつわかりませーん」でしたが、次の作品からは感覚の変化を感じ取ることができました
このオールドレンズで撮影された写真のような作品は
実はペイント作品
単純に上手に描いているなぁともいえますが、写真だと思って見ていた映像が絵だった時のなんともいえない感覚
普段自分が見てるものがどれだけ不確かであり、視覚への信頼が揺らいでいきます
こちらは、ただの女性ポートレートを並べただけに見えますが
この人たちは殺人事件の被害者たち
新聞に載った顔写真を絵にしたものだそうです
この情報が入ってくるだけで幸せそうな笑顔が一転し切なく見えてくるものです
そう考えると、普段見聞きしているものは、付与する情報とイメージによって人の感情をコントロールできるということです
メディアが流すニュースや広告にはそういったテクニックが駆使されているのです
8枚のガラスをランダムに並べた作品
ここに反射する映像はリアルタイムで動いている人の像が写っているのに全くリアル感がない抽象化されたアートに見えてきます
人間の視覚情報って案外テキトーなんです
認知科学の領域では「人間は意識しているものしか見ていない」と言われています
例えば、この前沖縄で借りた「ムーヴキャンバス」
最近このクルマをよく見かけるのです
今までも視覚には入ってきていたのでしょうが、意識していなかったので脳が情報を破棄していたのです
「いま見ているもの」は「自分が見たいと思ったもの」で構成されているということですね
もっといえば、現状に違和感を感じていたら、本来あるべき姿を明確にイメージさえすれば現実が変わるということでもあります
だって、人間は見たいものしか見ていないんですから!
よっし、ムーヴキャンバスのイメージを消去してアストンマーチン ヴァンテージに上書きしよう!V12のロードスターね!
会場を出たところにあるお土産ショップ
途轍もない人が蠢き、レジに長蛇の列が...
人混み、苦手...
これは見たくない光景だったので意識的に脳から消去しておきました!
あっ、一度意識してしまったから消えないか!
ということでゲルハルト・リヒターの娘さんが
「ごめんなさい」
といっております
ほら、彼女の表情がちょっと謝っている風に見えてくるでしょ?!