エレクトロニクスの進化とは電子の流れをコントロールするスイッチの歴史そのもの。
その歴史は真空管から始まり、トランジスターの登場で性能が加速度的に上昇し、かつ、コストが下がってきました。いわゆる18ヶ月ごとに性能が倍になり、コストはさがるという「ムーアの法則」というやつですね。
今までトランジスターを含む半導体の素材にはシリコンが使われてきました。なぜシリコンが採用されたかというと、スイッチングスピードが速くかつ電気抵抗が少ないので発熱量が抑えられたから。
半導体の歴史はスイッチのスピード、低コスト化の他に発熱をいかに抑えるかがもう1つのポイントです。発熱量が抑えられるとさらなる小型化も可能になります。
そしてそろそろ頭打ちになるといわれるシリコンに代わる素材として注目されているのが窒化ガリウム(GaN)シリコンより1000倍速く、電気抵抗が少なく、製造コストが安い素材。その窒化ガリウム(GaN)半導体を使った製品が登場し始めています。
と、前置きがだいぶ長くなりましたが、その窒化ガリウム(GaN)を使った小型充電器がAnker PowerPort Atom PD1。
iPhoneに付属する5W充電器よりちょっと大きいですが、このサイズでなんと30W出力できてしまいます。
30WあればMacBookなどUSB-C(Thunderbolt)のノートパソコンも充電可能。もうあのでっかい充電器を持ち歩かなくてもよいのです!
いままで小型充電器といえばDARTの65W ACアダプターがありましたが、さらに小さくなりました。たしかにDARTは65Wなので出力では及ばないですが、ノートパソコンを充電するのに常時65W必要なわけではないのです。
このAtom PD1が発表された数ヶ月前から、デリバリー開始をまだかまだかと待っておりました。そして先日2019年2月19日にようやく発売開始。もちろん速攻でオーダー!
(ちなみに翌日には完売し、ただいま入荷待ちです。4月ごろ再入荷??)
この新しい半導体素材 窒化ガリウム(GaN)が、これから登場するエレクトロニクス製品をさらに速く、さらに小さくしてくれた上に、コストダウンまでしてくれると思うと、なんだかワクワクしてきます。
僕にとってこのAtom PD1はこれからのデジタルデバイスの進化を象徴するようなアイテムなのです!
発売開始日に各方面に「こんなのでたよ!」と布教活動をしましたが、この熱い思いを話してもきっと理解してもらえないので胸にしまいながら布教を続けております(笑)
まっ、中身がどうこうより「小さい充電器って便利だよね」ということのほうが大事なんですけどね。
エレクトロニクスの世界ではSmall is Beautifulなのです。
左 iPhone5W充電器 中央 Anker PowerPort Atom PD1 30W 右 MacBook Pro 2018 61W AC Adapter