1951年、植物学者の大賀一郎氏が千葉県検見川にあった縄文時代の遺跡を発掘していたときに見つけた3粒の蓮(ハス)のタネ
翌年、発芽を試みたところ3粒のうち1粒から発芽
これが世界最古の花として千葉県の天然記念物に指定され、千葉市の花にもなっている「大賀蓮」が復活した瞬間です
蓮のタネが発見された遺跡の上部から出土した丸木舟を放射性炭素年代測定したところ、弥生時代の頃のものと推定されたので、実に2000年の眠りから覚めた蓮ということになります
この大賀蓮、千葉駅の北側にある千葉公園で育てられており6月中旬〜7月初旬に見頃を迎えます
ハスの花は日の出とともに開き昼頃に閉じていくので午前中に見にいくのが良いでしょう
ちなみに、千葉県にある成田空港、DIC川村美術館のほか、長野の善光寺、佐賀県の吉野ヶ里遺跡、沖縄 首里城内の円覚寺跡地のハスはこの大賀蓮のクローンだそうです
2000年以上前の祖先たちも見ていたであろう大ぶりの蓮の花
ハスの花といえば仏教のシンボルですが、宗教がかたち創られるよりももっと前から神秘的な雰囲気を放っていたことでしょう
濁った泥の中から茎を伸ばし可憐に咲くハスの花を見ていると、俗世から離れたところに美しい世界が広がっていることを象徴しているかのようです