親父の通夜に向かうときネクタイを締めながら
そういえば、ネクタイの締め方、親父に教わったな
って思い出した
ほかに親父から教わったことってあったっけ?
って振り返ってみたけれど、オートバイのクラッチのつなぎ方とフィルムカメラの使い方くらいしか思い出せない
たぶん他にもいろいろあったのだろうけど、ごめん、思い出せなかったわ
でも、実家の天井をぶち破って屋根裏部屋を作ったり、自転車のライトのモーターに自作した木製のプロペラを取り付けて風力発電した電気でラジオを聞いたりしている姿を見てきた
以前、このブログにも載せた「自給自足の本」を買ってきたのも親父
いまにして思えば、いま僕が房総でやってることのエッセンスは親父にあるんだなって思った
そういえば、狭い敷地に建つ実家の庭ともいえない小さなスペースに小屋も建てたじゃないか!
ちくしょー!
僕のオリジナルじゃねぇーじゃん!
僕が20代の頃、アメリカンモダン家具屋で働いていた時、1950年代から70年代のスター家具デザイナー、ハリー・ベルトイヤーやエーロ・サーリネンが在籍していたKoll社の古いカタログをくれた
スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行ったスピーチで引用した「Stay Hungry. Stay Foolish.」で再び注目を浴びた、ヒッピーのバイブル「Whole Earth Catalog」を去年に渡された
もらった時は
なんでこんなもん持ってんだよ!
って思ったな
でもとっても嬉しかったよ
親父がやってきたこと、集めてきたものの中に僕の原点がある
なんか、ちょっと悔しいけど、多分に影響受けていたんだろうな
親父と過ごした時間の中でとてつもない量の経験をさせてもらった
普通という言葉はあまり好きではないけれど、たぶん、普通のお父さんでは経験できないことをしたと思う
一緒に過ごした時間の中で、直接なにかを教わった記憶は少ないけれど、親父の姿を見ながらいろんなことを吸収し、再構築した結果が今の自分のベースにある
葬儀の最中、親父の友達に
お前の親父はすげーんだぞ!
みたいな話を何度か聞かされた
そして、僕が房総でやっていることを話していたらしく
千葉でなんかやってるんだろ?
お前のこと自慢してたぞ!
って言われた
僕の知らない親父の姿が垣間見れた
小中学校の時に「勉強しろ」なんて言われたこともないし、大学4年になっても就職活動もせず家具屋でバイトを続けたときにもなにも言わなかった
当時の僕は武器も持たずに世の中に放り出され、不安でいっぱいだった
親父は僕に関心ないのかな?
普通のお父さんならなんかアドバイスくれんじゃないの?
って思うほどだった
けど、いまにして思えば、やりたいことを自由にやらせてくれたことに感謝してるよ
綱渡りかもしれないけれど、なんとかこの世界をサヴァイブできているしね
でもさ、いろんなとこでこのブログを教えんなよ!
なんか恥ずかしいじゃねーか!
ということで、葬儀にご出席いただいた方の中にこのブログを読まれている方もいらっしゃっるので、、
お忙しいなか駆けつけていただき本当に有り難うございました
いただいたお言葉や表情を見ていると、それぞれの心の中に映る親父の姿があり、そのどれもが温かく感じました
またお会いする機会がありましたら僕の知らない親父のこと教えてください!
それにしても、みんなに愛されてんな、親父は
この2日間だけでもいろんなことを経験させられました
まだまだ、親父から教わることはあるようです!
まっ、直接は教えてはくれないけどな(笑)
あっ、親父、自分の葬儀どうだった?
僕なりに親父らしくしてみたつもりだけど!
あと、母親、しっかりやりきったな!カッコよかった!感謝しろよ!