はちみつの風味を味わう時に感じる幸福感はなんなんでしょう?
はちみつのスタートは花の蜜です。
植物の葉緑体は太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から糖を生成します。そして花に分泌された糖=蜜を求めてミツバチがやってきます。
花の蜜を巣に持ち帰った時点では40%の糖度だそうですが、ミツバチが巣の中で水分を発散させる作業をする過程で、ミツバチの唾液に含まれる酵素が入り込み分解が進み糖度が80%まで上るそうです。そのプロセスで二糖類のスクロース(ショ糖)だった成分がグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)といった単糖類に分解されるとのことです。
砂糖が原材料のサトウキビやテンサイなど、植物から直接精製するのに対し、はちみつはミツバチたちが一手間加えた加工品をお裾分けしていただいているのです。
ミツバチたちは人間のためにはちみつを作っているわけではないでしょうが、人類は1万年以上前からはちみつをいただき、5000年前に養蜂が始まったそうです。そう考えるとミツバチと人間の関係は長く、捉えようによっては、人間のためにはちみつを余剰生産してくれているのかもしれません。
旧約聖書には「心地良い言葉は、蜂蜜のように魂に甘く、身体を健やかにする」ということわざがありますが、はちみつに含まれるトリプトファンという必須アミノ酸はセロトニンを増やす物質で、生体リズム、睡眠、体温調節のバランスを保つ役割があります。さらに、人間の脳はニューロンとグリア細胞で構成されており、ミツバチたちが分解したグルコース(ブドウ糖)は脳の大部分を構成するグリア細胞の唯一のエネルギー源なのです。グルコース(ブドウ糖)は炭水化物からも摂取されますが小腸で分解する工程があります。はちみつは既に分解されているので理論上は吸収が早くなるはずです。
トリプトファンとグルコース(ブドウ糖)を含んだはちみつは、脳が喜ぶ成分を含んだ食べ物なのかもしれません。そう考えると「蜂蜜のように魂に甘く、身体を健やかにする」というのは科学的にも真理なのでしょう。
そして、植物が作り出した糖分をミツバチが加工して私たちの体内に取り込まれるプロセスに想いを馳せると自分が生態系の一部に存在していることをより強く実感できます。
現代の食事は糖質過多になっているので必要以上に取るのは良くないでしょうが、よく眠れない日が続いたりするとき、寝る1、2時間前にスプーン1~2杯くらいのはちみつをお湯に溶かして飲むと、ぐっすり眠れることがあります。
あくまでも実体験でしかありませんが、最近疲れてよく眠れないなと思うときに試してみると良いかもしれません。
あとはちみつを選ぶときは大地のパワーそのままの無添加のものを選ぶようにしましょう!ワンネスを感じるために!
サカノウエカフェ
http://sakanoue-cafe.com