房総フィールドガーデン 雑草堆肥でオーガニックな土作り pHメーターとECメーターを使った土壌診断(2017年4月から7月までの経過)

今年の房総フィールドガーデンのテーマは「土作り」

例年、刈り取った雑草をマルチ代わりに畑に敷き詰めてきましたが、今年は堆肥にしてから畑に戻す方針にしました。
そして、土壌のコンディションを可視化するために、酸性度を計るpHメーターと、電気伝導度を計るECメーターを導入し土壌分析も始めております。

pHは4月から計測を開始し、ECは5月からとなりますが、月に1回のペースで計測をつづけております。
今日はここまでの数値の推移をまとめて見ることにします。

畑全体の傾向

畑全体を1〜2m四方の区画に分け、1区画3〜5ポイントで値を拾っています。畑全体でいうと50〜60ポイント。小一時間の作業です。

<畑全体のpH/EC推移>
pH推移(4月–7月)6.3 → 6.2 → 6.1 → 5.8
EC推移(5月–7月)0.04 → 0.08 → 0.13
*この値はあくまでも畑全体の平均です。実態は50cm離れただけでも、著しく値が変わることもあり、区画ごとに見ていかないと最適な施策は打てないことがわかりました。

pHの傾向

pHは7.0が中性で値が高ければアルカリ性、低ければ酸性になります。(グラフの縦軸は上が酸性、下がアルカリ性になっています)一般的に野菜を育てるのは5.5〜6.5の間が良いとされているので房総フィールドの畑の値は範囲内に収まっています。

面白いのは徐々に酸性に傾いていること。日本の雨は酸性なので梅雨の影響でしょうか?このへんは数年定点観測してみないと傾向が読み解けないですね。

ECの傾向

ECの値は高ければ土壌の養分が溶け込んでいることになります(主に窒素肥料の残留量がわかるそうです)
適正値は野菜によって異なるそうですが、比較的多くの野菜が育つのが0.8〜1.5の範囲と言われています。

定点観測により房総フィールドの畑のEC値は0.05前後と極端に低いことがわかりました。
農作物を育てていない土地を開墾した場合は、ある程度養分を補ってあげないとダメっぽいですね。

雑草堆肥のpHとEC値

グラフを見ると、2つの折れ線が極端に高くなっています。これは雑草堆肥下の土壌です。
EC値が1.56あるのがゴールデンウィーク前の草刈りした塊、0.52あるのが5月下旬に刈った雑草の塊。それぞれpHを測って見ると5.8、4.4と酸性に傾いています。

<6月と7月のデータ>
GW前の堆肥(pH/EC):5.0 / 0.59 → 5.8 / 1.59
5月下旬堆肥(pH/EC):5.2 / 0.62 → 4.4 / 0.52

この相関を見ると、pHがアルカリによった方がEC値が上がる傾向が見て取れます。
5.8〜6.0あたりがスコープでしょうか。想像するに雑草を分解してくれる微生物の活動がしやすいpH値がこのあたりなんでしょうね。

ここ数ヶ月の定点観測でわかったことは、雑草堆肥の下のEC値が畑よりも高いので、肥料として活用できそうな感じです。完熟するまでしばらくかかりそうですが、ある程度まとまったら畑に投入してみることにします。

房総フィールドガーデンの土作りは始まったばかり。試行錯誤を繰り返しながら美味しいオーガニック野菜を作れるように頑張ってまいります(笑)

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